苫米地式コーチング認定コーチの萩原崇です。
「アファメーション」という言葉を検索すると、たいてい「なりたい自分を、なりきった言葉で唱える」といった説明に行き当たります。読んだ瞬間は納得できるのですが、しばらくすると疑問が残ります。言葉を唱えるだけで何かが変わるのなら、それはただの気休めではないのか、と。
その疑問は、半分だけ当たっています。ルールを外して唱えるアファメーションについては、書籍でもはっきり「逆効果にもなりかねない」と書かれているからです。
アファメーションには、11のルールがあります。ただ、一覧にして暗記してもあまり役には立ちません。大事なのは、なぜそのルールなのかという理由のほうです。理由がわかると、自分の書いた文章のどこが弱いのかを自分で判断できるようになります。
この記事では、定義から効果の仕組み、正しい書き方となる11のルールとその理由、実践の手順、よくある失敗までを一通り整理します。手元にすでにアファメーションがある方は、読みながら見直してみてください。
アファメーションとは
定義:ルールに基づいて作った言葉を、自分に語りかける
まず、言葉の定義から確認しておきます。苫米地英人博士は、アファメーションを次のように定義しています。
アファメーションを端的に表現するならば、「あるルールに基づいて作った言葉を自らに語りかけること」ということになります。(苫米地英人『201冊目で私が一番伝えたかったこと』)
短い定義ですが、二つの条件が入っています。「あるルールに基づいて作った」ことと、「自らに語りかける」ことです。
同書ではアファメーションを、「自分にはできない」から「自分にはできる」に変える、言わば「自己改造」の方法だとも表現しています。書き換えの対象は、私たちが無自覚に持っている信念の体系、ブリーフシステムです。
なお、アファメーションはゴールそのものとは別のものです。この区別は意外と混同されやすいところです。
ゴールを決める作業と、そのゴールの世界をリアルに感じられるようにする作業は、別の工程だということです。アファメーションは後者を担当します。
ポジティブシンキングとは違う
「前向きな言葉を唱える」という理解は、アファメーションを単なるポジティブシンキングと同じものとして読んだ形です。
『隠れた能力をどこまでも引き出す 苫米地式コーチング』では、アファメーションは「気持ちを明るくして前向きに対処しましょう」といった話ではない、と明確に否定されています。
違いは、ゴールを含んでいるかどうかにあります。気分を明るくすることが目的なら、内容は何でもかまいません。
一方でアファメーションは、具体的なゴールの世界を言葉で描き、そこに臨場感を持たせるための道具です。
暗示・催眠とも違う
もう一つ、より根深い誤解が「アファメーション=自己暗示」という誤解です。ルー・タイスの方法論が広まる過程で、暗示や催眠を使った亜流の方法が数多く生まれた、という経緯も『まずは親を超えなさい!』に記されています。
博士は、暗示を次のように説明しています。
暗示とは、そうではないとわかっていることを「そうだ」と思い込ませる技術です。(苫米地英人『まずは親を超えなさい!』)
たとえば禁煙のために「タバコを吸うと気持ちが悪くなる」という暗示をかける。実際には気持ち悪くないとわかっているのに、そう思い込ませるわけです。同書では、この方法で実際に禁煙できたという博士自身の経験も紹介されています。つまり暗示は、効かないから否定されているのではありません。
問題は、暗示ではゴールに届かない点にあります。暗示には「こうありたい自分」の設定はあっても、未来における具体的なセルフイメージやゴールの世界が含まれていません。貧乏な人が「私は大金持ちだ」と思い込むことに成功したとしても、それが具体的なゴール達成につながるわけではない、というのが同書の指摘です。
ゴールを達成するために、ゴールの世界の臨場感を上げる方法です。間違っても暗示や催眠のたぐいではありません。(苫米地英人『まずは親を超えなさい!』)
ここは、この記事全体の前提になるところです。アファメーションは思い込みの技術ではなく、ゴールの世界のリアリティを上げる技術。この一点を押さえておくと、後の11のルールがすべて同じ方向を向いていることが見えてきます。
なぜ効果があるのか
セルフトークが、セルフイメージを作っている
そもそも私たちは、日常的に自分に語りかけています。頭の中でつぶやく独り言、いわゆるセルフトークです。
『まずは親を超えなさい!』によれば、セルフトークは言葉だけで終わりません。言葉はイメージを想起させ、イメージは情動を引っ張り出します。そのため、セルフトークを1回行うことは、実際にその体験を1回するのとほぼ同じ効果をブリーフシステムに対して持つ、と説明されています。
問題は、多くの人のセルフトークがネガティブな内容だという点です。「私はこういうところがだめだ」「どうせうまくいかない」。それを繰り返すたびに、その内容が体験として積み上がり、セルフイメージになっていきます。
アファメーションは、この仕組みを逆から使う技術です。
それがゴールを実現する科学的で効果的なセルフ・トーク、つまりアファメーションということです。(苫米地英人『まずは親を超えなさい!』)
無自覚なセルフトークを、意図的に設計されたセルフトークに置き換える。これがアファメーションの正体だと言えます。
I×V=Rという公式
その作用を説明する式が、ルー・タイスの残したI×V=Rです。
I(想像力Imagination)×V(臨場感Vividness)=R(現実Real)(苫米地英人『「言葉」があなたの人生を決める』)
イメージに臨場感が掛け合わされると、それが脳にとってのリアリティになる、という考え方です。人間の脳は、複数のリアリティを同時には維持できません。現状よりもゴール側のリアリティが強くなったとき、無意識はゴール側のセルフイメージを、自分の居場所として扱い始めます。
『すべてを手に入れる 残り97%の脳の使い方』では、この選択がより具体的に説明されています。
現状より高いエフィカシーを維持すると心理的な不安定さ(認知不協和)が生まれ、無意識はそれを解消しようとして、現状に戻るか目標の世界へ移動するかを選ぼうとする。そして、より強くイメージできているほうを選ぶ、というのです。
だからアファメーションが要る、という理屈になります。
正しいゴールほど、そのままでは臨場感がない
ここに、コーチングならではの事情が加わります。苫米地式で設定するゴールは「現状の外側」にあるものです。今の自分の延長線上では届かない場所に置くからこそ、意味があります。
ところが、そういうゴールほど、リアルには感じられません。
実は、ルー・タイス・プリンシプルの制約を満たせば満たすほど、ゴールの世界の臨場感は薄くなっていきます。そこで、アファメーションを使って、その臨場感を効果的に上げていくことが、ゴール達成のひとつのカギなのです。(苫米地英人『まずは親を超えなさい!』)
正しくゴールを設定するほど臨場感が薄くなる。その薄さを埋めるために、後から臨場感を足していく道具がアファメーションだ、という位置づけです。ゴール設定とアファメーションがいつもセットで語られる理由は、ここにあります。
エフィカシーが上がり、スコトーマが外れる
臨場感が上がると、何が起きるのか。その連鎖は次のように説明されています。
アファメーションというコーチングの手法によってコンフォート・ゾーンがゴールに合致したものにずれると、結果としてエフィカシーが上がり、スコトーマ(心理的盲点)が外れてゴールへの道筋が見えてくるのです。(苫米地英人『201冊目で私が一番伝えたかったこと』)
エフィカシーとは、ゴールを達成する自分の能力に対する自己評価のことです。スコトーマは心理的な盲点、つまり見えているのに認識できていない領域を指します。
順序が大事なところです。方法が見つかったからエフィカシーが上がるのではなく、エフィカシーが上がるから方法が見えてくる。私たちは自分にとって重要でない情報をそもそも認識できないので、ゴール側のセルフイメージが先に立ち上がらないと、道筋のほうも見えてきません。

アファメーションを書く11のルール
ここからが本題です。『まずは親を超えなさい!』『201冊目で私が一番伝えたかったこと』などで共通して示されている11のルールを、理由とあわせて見ていきます。
ルール1・2:誰の言葉として、何を書くか
1. 個人的なものであること。 一人称で書きます。主語は「私」、チームのゴールであれば「私たち」「われわれ」です。内容も、心の底から自分が望んでいることに限ります。
このルールは、洗脳との違いを分ける線でもあります。『201冊目で私が一番伝えたかったこと』では、アファメーションが洗脳と異なるのは、本人が自分で設定したゴールに合わせて、自分に向けて言葉を作り、自分に言い聞かせている点だ、と説明されています。誰のゴールで、誰が言葉を作ったのか。ここが他人由来だと、技術としての性格そのものが変わってしまいます。
2. 肯定的に書く。 「こうなりたくない」「こうはなりたくない」という否定表現を使いません。否定したい対象そのものを文中に入れないところまで徹底します。
理由は無意識の性質にあります。
無意識は否定語を理解できませんから、ネガティブな用語に否定語をつけてポジティブな意味にしたつもりでも、無意識はもともとのネガティブな用語のほうをそのまま理解して受け取ってしまいます。(苫米地英人『ポジティブライフの教科書』)
同書では、「私は仕事をサボるような人間ではない」と書くと、無意識は「仕事をサボるような人間」の部分を受け取ってしまう、という例が挙げられています。書くなら「私はどんな仕事にも前向きに取り組む人間だ」と、最初からポジティブな言葉だけで組み立てます。
ルール3・4・5:すでに達成した現在として書く
3. 現在進行形で書く。 「今まさに〜している」という形にします。「〜になる」という未来形は使いません。
未来形が避けられるのは、「これからそうなる」という文が、暗に「今はそうではない」と宣言してしまうからです。無意識はそちらのほうにリアリティを感じてしまいます。『ポジティブライフの教科書』では、この操作を「未来の記憶を作る」と表現しています。未来の出来事でありながら、すでに起こっているかのような文章にするわけです。
そして現在形には、もう一つ踏み込んだ狙いがあります。
アファメーションを繰り返すことによって、新しいセルフイメージに強い臨場感が持てるようになってくると、自分の置かれている現実との間に葛藤が生じてきますが、これが第三段階の目的なのです。(苫米地英人『隠れた能力をどこまでも引き出す 苫米地式コーチング』)
現在形は、単なる言い回しの決まりではありません。新しいセルフイメージと現実との間に、意図的にギャップを作るための仕掛けです。そのギャップを埋めようとする無意識の働きが、行動を変えていきます。
4. 「達成している」という内容にする。 「私は〜を持っている」「私は〜だ」という形で、すでに達成した状態を書きます。「〜できる」「〜したい」「〜しなければならない」は使いません。
「〜したい」は願望であり、まだ手にしていないことの確認です。「〜しなければならない」に至っては、望んでいたはずのゴールを義務に変えてしまいます。ここは3のルールと理由が地続きになっています。
5. 決して比較をしない。 他人と比べた記述をせず、自分自身の変化と成長だけを描きます。
比較を持ち込むと、評価の基準が自分の外に出てしまいます。エフィカシーは、他人からの評価ではなく自分の能力に対する自己評価ですから、他人の位置を基準にした瞬間に、それはエフィカシーとは別のものになります。
ルール6・7・8:臨場感を作る言葉を選ぶ
6. 動きを表す言葉を使う。 ゴールを成し遂げている自分の行動を、様子がわかる言葉で書きます。「すばやく」「流暢に」「くつろいだ態度で」といった言葉です。
静止画ではなく動画になるように書く、と考えるとわかりやすいと思います。動きのある記述のほうが、イメージははるかに立ち上がりやすくなります。
7. 感情を表す言葉を使う。 ゴールを達成したときの感動を、正確に呼び覚ます言葉を入れます。「〜してうれしい」「〜が誇らしい」といった表現です。
このルールは、I×V=RのVに直接効きます。『「言葉」があなたの人生を決める』では、ルー・タイスが講演で披露した「レモンの話」が紹介されています。冷蔵庫からレモンを取り出し、半分に切ってかじる場面を言葉で誘導すると、聴衆に「すっぱい」というきわめてリアルな感覚が訪れる。この感覚は記憶であり、記憶には必ず情動が伴っている、という説明です。
言葉が情動を引っ張り出せるからこそ、感情の言葉が臨場感の鍵になります。
8. 記述の精度を高める。 あいまいな部分を残さず、詳細に書きます。数値化できるところは数値にします。
精度は一度で完成しません。毎日読みながら、引っかかるところを直していきます。この作業自体が、ゴールの解像度を上げていくプロセスになっています。
ルール9・10:人生全体で矛盾させない、そしてリアルに
9. バランスをとる。 家庭、余暇、社会、教育、ビジネス、健康、キャリア、財産といった人生のさまざまな分野を調和よく組み合わせ、一つひとつのアファメーションが互いに矛盾しないようにします。
仕事のゴールと家庭のゴールが衝突していれば、どれだけ臨場感を上げても、無意識はどちらに向かえばよいかわかりません。アファメーションは1本ではなく、人生の複数の分野について書くものであり、その全体が一つの絵として成立している必要があります。
10. リアルなものにする。 読んだときに、ゴールを達成した自分自身の姿が浮かび上がるくらいの記述にします。
『夢が勝手にかなう「気功」洗脳術』では、臨場感を感じられないものは扱えないという限界条件が示されています。40歳の男性が「プロ野球選手になる」を臨場感を持って想像するのは難しいけれども、シニアツアーのある「プロゴルファーになる」なら臨場感を持てる、という例です。現状の外側であることと、想像できないことは、別だという線引きになります。
ルール11:秘密にする
11. 秘密にする。 書いたアファメーションを人に見せず、内容を話さないようにします。
理由は二つあります。一つは、ドリームキラーの問題です。大きなゴールほど「無理だろう」「現実を見たほうがいい」と否定されやすく、その言葉は本人のエフィカシーを下げます。悪意があるとは限らず、身近な人ほど善意で言ってくることも多いところが厄介です。
もう一つは、人に話した瞬間に、ゴールの性質が変わってしまうことです。『隠れた能力をどこまでも引き出す 苫米地式コーチング』では、人に話すことで夢が「〜したい」から「〜しなければならない」へと義務化されてしまう恐れが指摘されています。ルール4で避けた「〜しなければならない」が、外から入り込んでくるわけです。
このルールがどれくらい重いものかを示す逸話が『脳は休ませると10倍速になる!』にあります。ルー・タイス本人が、自分のアファメーションカードを他人に見せるようになったのは70歳を過ぎてからだった、というものです。世界的なコーチングの大家でさえ、そこまで警戒していたのです。
声に出して読む
ワーズ、ピクチャー、エモーションの順で
書き上げたら、毎日少なくとも2回、声に出して読みます。ここで手順があります。
まずアファメーションを読み、目を閉じます。次に、そこに書かれたイメージを思い浮かべます。そして、それが実現したときのうれしさや充実感を、実際に味わいます。この「ワーズ、ピクチャー、エモーション」の順を、一つひとつのアファメーションに対して行っていきます(『まずは親を超えなさい!』)。
読むだけで終わらせないところが要点です。『ポジティブライフの教科書』では、この関係がさらに踏み込んで表現されています。アファメーションを読むときは情景をビジュアライズしてほしい、というより、映像化するために文字を読んでほしい、と。文字は手段であって、目的はイメージと情動のほうにあるということです。
同書では、そこからさらに二段階の強化法も示されています。視覚以外の五感(音、感触、味、におい)のイメージを付け加えること。そして、そのイメージに気持ちを貼り付けることです。
なお、イメージするときは、自分を外から眺める視点ではなく、その場面の中にいる一人称の感覚で行います。スタンドから観戦するのではなく、自分がフィールドでプレーしているように想像する、という説明が『夢をかなえるPX2完全マスター』にあります。
就寝前と起床直後が効果的な理由
タイミングについては、はっきりした指定があります。
最も効果的な時間帯は、夜の就寝前と朝目が覚めた直後です。就寝前は、脳波が、アルファ波支配になりやすい時間帯です、アルファ波やシータ波が出ているときは、意識へのアファメーションの刷り込みが効果的に行えるのです。(苫米地英人『まずは親を超えなさい!』)
これは神秘的な話ではなく、脳の状態の話です。覚醒して緊張しているときと、眠りに入る前のリラックスした状態とでは、脳波のパターンが違います。後者のほうが、言葉とイメージが入りやすい、という認知科学的な整理です。
朝についても、別の角度から理由が説明されています。『頭が10倍よくなる超睡眠脳の作り方』では、本気のアファメーションには多くのエネルギーが必要であり、脳が睡眠によって十分に休養をとった朝が最も効率的だとされています。夜は入りやすさ、朝は脳のコンディション。理由は違いますが、どちらも日常の生活リズムの中に無理なく置ける時間帯です。
特別な準備は要りません。同書では、朝起きて太陽光を浴び、シャワーを浴びながら行うという、生活動線に組み込んだ形が紹介されています。『まずは親を超えなさい!』にも、込み入った手順に聞こえるかもしれないが、歯磨きや洗面のように習慣化してしまえば簡単なことだ、という一文があります。
紙に書いて持ち歩く
ゴールそのものは人に言わないほうがよいとされますが、アファメーションについては扱いが違います。『脳は休ませると10倍速になる!』では、アファメーションは紙に書いてもかまわない、むしろ紙に書いていつでも読み上げられるようにしておくものだ、と説明されています。
ただし、人に見せたり壁に貼ったりはしません。ルール11がここでも効いてきます。カードにして持ち歩き、自分だけが読む。そういう扱いになります。
書いて、声に出して、目で読む。この一連の行為について、苫米地博士は近年「外部化(エクスターナライゼーション)」という説明をしています。一度自分の外に出したものを、もう一度五感から中に入れ直すと、内部表現での位置づけが上がっていく、という考え方です。

よくある失敗と注意点
最後に、書籍で指摘されている誤用のパターンを整理しておきます。自分のアファメーションを見直すチェックリストとして使えると思います。
ルールを外して書いてしまう。 否定形、未来形、願望形で書くと、達成していない現状のほうを肯定することになります。『夢をかなえるPX2完全マスター』では、この場合「効果がないどころか逆効果にもなりかねません」と表現されています。11のルールが細かいのは、形式にこだわっているからではなく、一つ外すと逆向きに作用しかねないからです。
暗示のテクニックを持ち込む。 アファメーションを自己暗示だと理解して、思い込ませるための心理操作を足していくパターンです。冒頭で見たとおり、暗示でポジティブな思い込みを作っても、具体的なゴール達成にはつながりません。効きを強めようとした工夫が、技術そのものの性格を変えてしまいます。
内容を人に話してしまう。 これが一番起きやすい失敗かもしれません。良いアファメーションが書けたときほど、誰かに見せたくなるものです。けれども、そこで返ってくる反応は、ドリームキラーの言葉か、あるいは義務化のきっかけになります。書いたものは、自分の手元に置いておきます。
実践後にネガティブなセルフトークをする。 アファメーションを実践したあと、自分の行動を観察するのは有益です。ただし、そこで「やっぱりだめだった」と語ってしまうと、ネガティブな情動記憶を強化してしまいます。『まずは親を超えなさい!』では、少しでもうまくいったときは「自分らしい」と声をかけ、好ましくない状態を見つけたときは「自分らしくない。この次は〜しよう」と前向きに言い換えることが勧められています。
即効性を期待する。 『201冊目で私が一番伝えたかったこと』では、アファメーションは1〜2年間実践して初めて効果が出てくるものだとされています。数週間で判断して「効かない」と結論づけるのは、時間軸の取り違えです。
ゴールを達成したあと、更新しない。 ゴールに到達した、あるいは到達が見えた時点で、そこへ向かうエネルギーは失われます。ゴールは継続的に更新するものであり、新しいゴールの臨場感を上げるために、アファメーションも書き換えていくことになります。
おわりに
11のルールを振り返ると、どれも同じ一点を向いていることがわかります。ゴールの世界の臨場感を、どこまで上げられるか。一人称も、現在進行形も、感情の言葉も、記述の精度も、すべてそのための手段です。
だから、ルールは暗記するものというより、判断の基準として使うものだと私は考えています。自分の書いた文章を読んで、その場面の中に自分がいると感じられるか。感じられないなら、どのルールが効いていないのか。そうやって見直していけるようになると、11項目はルールではなく、道具に変わります。
もし手元にアファメーションがあるなら、この記事の順に一度読み返してみてください。書き換えるべきところは、たいてい一つか二つ見つかると思います。
臨場感をどう上げていくかというテーマは、アファメーションだけで終わる話ではありません。ゴール設定そのものの作り方や、エフィカシーの扱い方については、また別の記事で書いてみたいと思っています。

